教える前に、見立てる。
答えを渡す前に、問う。
きれいに作った学習計画表が、数日後には開かれなくなる。中学生のお子様の学習を見守るなかで、このようなことはありませんか。
計画が続かないとき、必要なのは気合いを足すことではありません。一回に決める量、始めるきっかけ、振り返る時刻の三つを小さく見立て直すことです。お子様が次の10分を選べる計画に変えていきましょう。
計画が大きすぎる、始める場面が決まっていない、できなかった日の扱いがない。こうした条件が重なると、計画表は「できたか、できなかったか」を測るものになりやすくなります。
計画の目的は、親御様が管理することではありません。お子様が、今の自分に合う次の一歩を選びやすくすることです。
「数学をやる」ではなく、「例題を一問だけ見る」「英単語を五つだけ確認する」のように、始められる大きさへ分けます。終える量ではなく、始められる量を決めることが大切です。
何時に、どこで、何を開くかまで決まると、考える負担が減ります。「夕食の前に10分」「机に座ったらノートを開く」など、具体的なきっかけを一つだけ選びます。
できなかった理由を長く反省する必要はありません。「できたこと」「止まったこと」「次に試すこと」を一言ずつ見れば十分です。計画を立て直すための短い時間を用意します。
予定どおりに進まなかった日を、失敗として扱う必要はありません。予定が合わなかったという事実を見て、次の10分の大きさを変えればよいのです。
親御様は「なぜできなかったの?」と理由を求める役ではなく、「次はどのくらいなら始められそう?」と選び直しを支える役になれます。
この連載でいう「学びの問診」は、お子様を診断したり、できる・できないを評価したりするものではありません。どこまで分かるか、なぜそこで止まったか、次に何を確かめるかを、親御様とお子様が短く見立てるための考え方です。
今夜の一分チェック
「次の10分で、何を確かめる?」と聞いてみてください。
お子様が答えたくないときは、そこで会話を終えます。理由を求めたり、答えを待たせたりせず、「また話したくなったら教えて」と伝えてください。別の日に、お子様から開き直せる余白を残すことも、学びを支える大切な関わりです。
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医師・歯科医師の親御様のための「学びの問診」と全9話の案内は、シリーズ入口ページにまとめています。