お子様が勉強で質問できないとき|「全部分からない」を変える3つの手順

教える前に、見立てる。
答えを渡す前に、問う。

お子様に「どこが分からないの?」と聞いても、「全部分からない」と返ってくる。何を手伝えばよいか分からず、親御様も言葉に詰まることがあります。

このとき必要なのは、すぐに説明を始めることではありません。「全部分からない」を、分かるところ・止まった場所・試したことの三つに分けることです。困りごとが小さくなると、お子様自身が助けを求める次の一歩を選びやすくなります。

「分からない」と聞いても、何を説明すればよいか分からないとき

質問できない状態は、学ぶ意欲がないこととは限りません。問題のどこで止まったのか、何を言葉にすればよいのかが整理できず、助けの求め方が分からなくなっていることがあります。

親御様が答えを先に渡すと、その場は進んでも、お子様が次に同じように止まったときの手がかりが残りにくくなります。まずは、困りごとを三つに分けて聞いてみましょう。

「全部分からない」を変える三つの手順

1|分かるところを一つ見つける

問題文、図、計算、授業で聞いた言葉のどれでも構いません。「ここまでは分かる?」と聞き、できている場所を一つだけ見つけます。最初から全部を説明しようとしないことが大切です。

2|止まった一行を指さす

「どこから分からなくなった?」よりも、「止まった一行を指させる?」と聞きます。目に見える場所を示せると、困りごとが質問できる形になります。

3|自分で試したことを一つ言葉にする

ノートを見た、例題を探した、式を書いたなど、うまくいかなかった試みも次の学びの材料です。「何を試してみた?」と聞くことで、お子様は自分がすでに持っている手がかりを整理できます。

困りごとを一つのかたまりにすると、助けを求める時期が遅れやすい

「全部分からない」のまま抱えると、質問すること自体が大きな仕事に見えてしまいます。分かるところ・止まった場所・試したことに分けると、「ここだけ聞きたい」と言いやすくなります。

家庭でできるのは、答えを用意することではなく、質問の形を一緒に整えることです。その経験が、授業や家庭教師の時間にもつながっていきます。

「学びの問診」は、診断や評価ではありません

この連載でいう「学びの問診」は、お子様を診断したり、できる・できないを評価したりするものではありません。どこまで分かるか、なぜそこで止まったか、次に何を確かめるかを、親御様とお子様が短く見立てるための考え方です。

今夜の一分チェック

一問だけ見ながら、「どこまでは分かる?」と聞いてみてください。

お子様が答えたくないときは、そこで会話を終えます。理由を求めたり、答えを待たせたりせず、「また話したくなったら教えて」と伝えてください。別の日に、お子様から開き直せる余白を残すことも、学びを支える大切な関わりです。

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医師・歯科医師の親御様のための「学びの問診」と全9話の案内は、シリーズ入口ページにまとめています。