東京都の中学受験・高校受験|開成・桜蔭・小石川・日比谷を目指す家庭へ

都立小石川中等教育学校の一般枠では、800点満点のうち600点が、2027年2月3日(水)に受ける3つの適性検査で決まります。

適性検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲは45分ずつで、Ⅲのすべてと、Ⅱの大問2は、小石川の独自問題です。Ⅰと、Ⅱの大問1・3には「共同作成問題」が使われます。

残る200点は報告書です。小学5年と6年の「各教科の学習の記録」を225点ずつ、合わせて450点で数え、それを200点に換算します。6年生の最後の追い込みだけでなく、5年生の1年間の成績も、入試の資料に入っているということです。

小石川にはもう1つ、2月1日(月)に行う特別枠があります。自然科学の全国的なコンクールで上位に入賞した人が対象で、作文と面接で選ばれ、特別枠で合格した人は一般枠を受けられません。同じ「都立の中高一貫校」でも、独自問題の置き方や報告書の数え方は、学校ごとの募集要項を開いて初めて分かります。

東京で学校を選ぶ家庭は、候補の多さと同じくらい、朝の電車のことで迷います。同じ区の中でも、乗り換えが1回増えるだけで、12歳の子の朝の支度は変わります。都立の中高一貫校に応募するには、親御さんと同じ家で都内に暮らし、入学してからも都内の家から通えることが求められるので、転居の予定がある家庭は、学校を比べる前にこの点を確かめるのが先です。

高校入試になると、迷う理由が変わります。都立高校の第一次募集では、学力検査(500点満点を700点に換算)と調査書点(300点に換算)に、英語のスピーキングテストの結果(20点)を足した1020点で総合得点を出します。今の中学3年生がスピーキングテストを受けるのは2026年11月22日(日)なので、2月の学力検査より前に、20点分はもう決まっています。

都立高校は実技4教科が2倍

都立高校の学力検査に基づく入試では、調査書点を出すとき、学力検査を行う教科の評定は1倍、行わない教科の評定は2倍で数えます。5教科で学力検査を行う学校なら、音楽・美術・保健体育・技術家庭の4教科が2倍になり、評定の満点は65点です。受験科目ではないからと実技4教科を後回しにすると、その分が調査書点に2倍で響きます。

選べる道が多い東京では、調べる順番を先に決めておくと、情報の多さに振り回されにくくなります。その順番は、中学でも高校でも変わりません。

  1. 受ける学校の種類を決める
    私立中・国立中・都立中高一貫校・都立高校のどれを受けるかで、読むべき資料がまったく変わります。
  2. 要項で配点の中身を読む
    都立中高一貫校なら報告書と適性検査、都立高校なら学力検査と調査書点の比重を、募集要項で読み比べます。
  3. スピーキングテストを予定に入れる
    中学3年生は、都立高校の入試より前に英語のスピーキングテストがあるので、日程を早めに手帳へ書きます。

東京都の中学受験は、まず四つに分けて考える

公式情報で整理

東京都の中学受験で、親御さんが最初に分けて考えたいのは、次の四つです。

区分代表的な学校例まず確かめたいこと
男子私立中開成中学校、麻布中学校、武蔵中学校、早稲田中学校など4教科の出題傾向、記述量、学校文化、通学、最新募集要項
女子私立中桜蔭中学校、女子学院中学校、雙葉中学校、豊島岡女子学園中学校など4教科に加える面接・提出書類の有無、教育方針、六年間の生活
共学・大学附属・国立渋谷教育学園渋谷中学校、早稲田実業学校中等部、慶應義塾中等部、筑波大学附属中学校など試験日、科目、系列大学との関係、併願、出願資格
都立中高一貫校小石川中等教育学校、桜修館中等教育学校、都立武蔵高等学校附属中学校、両国高等学校附属中学校など適性検査、報告書、通学区域・応募資格、学校別募集要項

都立小石川などの中高一貫校を考える家庭へ

東京都教育委員会が公表した2027年度(令和9年度)の一般枠募集は、出願情報の入力が2026年12月17日から2027年1月18日午後5時まで、書類提出が2027年1月8日から1月18日まで、検査が2月3日、合格発表が2月9日の予定です。各校の令和9年度募集要項は、2026年9月に各校の公式サイトで公開されています(小石川は9月1日)。

小石川中等教育学校の公式入試案内には、令和9年度募集の入口、応募状況、適性検査問題などがまとめられています。一方、学校別の検査構成や配点は年度ごとに確認が必要です。前年の資料だけを見て「今年も同じ」と決めず、東京都の実施要綱と志望校の募集要項を必ず二段階で確認してください。

適性検査では、学校の教科書で学ぶ基礎を土台に、文章・図・表・会話文などの資料から条件を読み取り、自分の考えを筋道立てて書く力が問われます。知識を覚える勉強と、知識を使って説明する練習を分けないことが大切です。

適性検査型と4教科型を、同じ計画にしない

都立中高一貫校と私立中の両方を考える家庭では、「算数と国語を勉強しているから同じ」と感じやすいものです。しかし、同じ基礎力を使っていても、問題の見え方や時間の使い方は異なります。

私立中の4教科型では、学校ごとの出題範囲・難度・記述量に合わせ、知識の定着と処理速度を積み上げます。適性検査型では、複数の資料を関連付け、条件を整理し、限られた字数で根拠を示す練習が必要です。併願を考えるなら、共通する基礎と学校別対策を一枚の表に分け、どちらも中途半端になっていないか毎月確認しましょう。

家庭でできる「読む・考える・説明する」15分練習

特別な教材へ進む前に、家庭でできる短い練習があります。

  • 東京都や区市町村の広報からグラフを一つ選び、「一番大きな変化は何?」と聞く
  • 答えを言ったあと、「そう考えた根拠は資料のどこ?」と示してもらう
  • 80〜120字で要点を書き、主語・理由・結論がつながっているか一緒に見る
  • 算数の解答後に、式の意味を一文ずつ説明してもらう

正解をすぐ教えなくても大丈夫です。「できたか」をたずねる前に「どこまで考えたか」を聞いてみる。この問いかけの積み重ねが、適性検査にも私立中の記述問題にも通じる下地になります。

開成・麻布・桜蔭などの私立中は、偏差値と過去問だけで比べない

開成中、麻布中、武蔵中、桜蔭中、女子学院中、雙葉中、渋谷教育学園渋谷中などは、いずれも多く検索される学校ですが、教育方針、校風、提出書類、面接の有無、各教科の問題、入試後の生活は同じではありません。

2026年10月2日時点では、2027年度の募集要項をまだ公開していない学校もあります。桜蔭(令和9年度)と麻布(2026年9月18日更新)は、2027年度の募集要項を公開しています。開成も中学・高校の入試情報を年度ごとに更新しています。塾の併願表や古いまとめ記事だけで日程を固定せず、必ず志望校の公式ページで更新日と対象年度を確認してください。

  1. お子さんが六年間通う姿を想像できるか
  2. 満員の電車や乗り換えがあっても、毎朝通い続けられるか
  3. 授業と宿題の量、行事、部活動の釣り合いが、お子さんに無理のないものか
  4. 最新募集要項で科目、日程、提出書類、面接、出願条件を確認したか
  5. 入学金・授業料だけでなく、教材、制服、交通、行事などの費用も見たか

合格後に「思っていた学校生活と違った」とならないよう、説明会、文化祭、公開授業など、学校を直接知る機会も大切にしてください。

東京都の高校入試は、内申と当日点のどちらか片方では決まらない

公式情報で整理

2027年度の都立高校入試は、推薦に基づく選抜が2027年1月26日・27日、合格発表が2月2日、第一次募集・分割前期募集の学力検査が2月21日、合格発表が3月1日に予定されています。詳細な実施要綱・同細目は、2026年9月17日に公表されました。

都立高校は、学力検査・調査書・ESAT-Jを分けて整える

東京都教育委員会の2027年度案内では、第一次募集・分割前期募集の基本例として、5教科500点の学力検査を700点に、調査書点を300点に換算し、中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J YEAR 3)の結果20点を加える、合計1020点の考え方が示されています。

5教科で学力検査を行う場合の調査書では、国語・数学・英語・社会・理科の評定を1倍、音楽・美術・保健体育・技術家庭の評定を2倍として、評定の得点を65点満点で扱います。実技4教科を「受験科目ではない」と後回しにすると、調査書点では影響が大きくなる点に注意が必要です。

ただし、選抜方法や学校設定検査は学校によって異なる場合があります。共通の制度、志望校固有の方法、現在の学力と評定を分けて確認することが、焦りを減らす近道です。

日比谷・西・国立・戸山などは、学校名の人気だけで決めない

日比谷高、西高、国立高、戸山高、青山高、八王子東高、立川高は、東京都の進学指導重点校として案内されています。また、日比谷・戸山・青山・西・八王子東・立川・国立などでは、国語・数学・英語の自校作成問題が使われます。共通問題だけを解いて準備が終わったつもりにならないよう、志望校の過去問題と出題方針を確認してください。

一方で、東京都には進学指導重点校以外にも、専門学科、総合学科、単位制、国際・理数・工科など多様な高校があります。「偏差値が上だから」ではなく、授業、進路指導、行事、部活動、通学、校風がお子さんの希望と重なるかを見てください。

候補校を三校程度に絞り、次の項目を一枚に並べます。

  • 推薦と一般選抜の有無、検査内容、求める生徒像
  • 共通問題か自校作成問題か、面接・作文・実技があるか
  • 学力検査、調査書、ESAT-J、学校設定検査の扱い
  • 学科・授業・部活動・進路指導にお子さんの希望が重なるか
  • 朝の混雑を含め、三年間通い続けられそうか

偏差値の上下だけで候補を並べると、親子の話は点数と内申のことで埋まりがちです。「その学校で何をしてみたいか」まで比べておくと、受験勉強をする理由が、お子さん自身の言葉として出てきやすくなります。

報告書・適性検査から調査書点・ESAT-Jまで、東京の学年別の準備

マサ先生の提案

時期優先したい準備家庭での確認
小4〜小5区や市の広報のグラフを題材に、読み取ったことと理由を書く。計算・語彙も毎日続ける。算数の式が何を表すか、お子さんの言葉で説明してもらう。
小6前半私立の4教科型と都立中の適性検査型で計画を分け、志望校の過去問題から求められる力を読み取る。文化祭や公開授業に足を運び、朝の電車で通えるかも親子で確かめる。
小6後半適性検査や過去問を本番どおりの時間で解き、見直しまで行う。手を広げすぎない。判定に振り回されず、次の過去問で直すことを1つ、親子で選ぶ。
中1〜中2音楽・美術・保健体育・技術家庭は調査書点で重く数えられる。定期考査と同じく、実技の授業と提出物にも力を注ぐ。評定が下がった教科は、授業中・課題・復習のどこで崩れたかを親子で探す。
中3志望校が共通問題か自校作成問題かを確かめ、5教科の得点と弱点の直し方を学校ごとに組み立てる。模試が返ってきたら、判定欄の前に失点した問題を見直し、1週間の学習の順番を決める。

学校の候補が多い東京で、つい強くなる言葉を置き換える

マサ先生の提案

私立・国立・都立中高一貫校・都立高校と道が多い東京では、塾の併願表やまとめ記事も次々に目に入り、「このままで間に合うのか」と親御さんが焦るのも無理はありません。焦りが強い日は、言い方がとがってしまうこともあります。それでかまいません。次の置き換えを試すと、お子さんが自分で考える余地が残ります。

「開成や桜蔭に行きたいなら、この偏差値じゃ話にならないよ」
「過去問の記述で何を求められているか一緒に見て、次の1週間で練習する1つを選ぼう」
「小石川の適性検査、また最後まで書けなかったの?」
「どの資料までは読めて、どの問いで書く手が止まったか、線を引いて教えて」
「実技の評定がこれじゃ、日比谷なんて無理でしょ」
「もう決まった記録と、当日点や残りの評定で伸ばせる所を、表に分けて書いてみよう」
「私立か都立か、いつになったら決めるつもり?」
「学校見学で気になったことを、決めるのは後にして3つ話してくれる?」

東京都教育委員会の要綱や各校の募集要項を読み、候補の違いを整理して並べるのは、親御さんが引き受けやすい仕事です。どれを選ぶかの最後のひと言は、お子さん自身の口から出るように待ちましょう。

東京の受験準備は、都の要綱と学校の要項を読み比べる30日から

マサ先生の提案

1週目:私立・国立・都立の道を分け、読む資料を決める

中学受験では4教科型・適性検査型・附属型などの型ごとに、高校受験では都立と私立、共通問題と自校作成問題の別に、候補を並べます。学校ごとに、通学時間と選抜方法、お子さんが興味を持った点を書き足し、1枚の表にまとめます。

2週目:記述と資料の読み取りで、つまずく場所を洗い出す

教科の好き嫌いで話を終えず、計算・語彙・条件の整理・記述・時間配分・見直しの、どれがつまずきの元かを見ます。模試や定期テストは、点数の横に失点の理由を書き込んで振り返ります。

3週目:通塾と通学の時間を引いて、毎日の量を決める

目安は平日30分、休日90分のように、途切れずに続けられる長さです。小学生は「計算10分+資料を読む15分+説明する5分」、中学生は「弱点復習20分+学校課題10分」と、中身が見える書き方で予定に入れます。

4週目:講座を足すのは、続かなかった理由を直してから

こなせなかった日があっても責めず、量が多すぎたのか、帰宅の時刻と合わなかったのか、問題が難しすぎたのかをたずねます。電車での通塾に時間がかかり、眠る時間が減っているなら、講座を足すより先に、1週間の組み立てを見直してください。

東京の入試の要綱や要項は、毎年のように改まります。

内容は、2026年10月2日の時点で確かめた公式情報に基づいています。2027年度の都立中・都立高校入試は日程が出ており、都立高校の実施要綱・同細目も2026年9月17日に公表されました。私立中の募集要項は、学校によって公表の時期が違います。出願の前には、東京都教育委員会と各学校の公式サイトで、対象年度と更新日を確かめてください。

よくある質問

よくある質問

都立中高一貫校や私立中を目指すなら、準備は何年生からがよいですか?

志望校と、今どこまで学べているかで変わってきます。計算・語彙・読解と、理由を説明する習慣なら、受験を決める前から取りかかれます。学年を理由に「遅い」とあきらめる前に、志望校が4教科型なのか適性検査型なのかを確かめてください。

都立中高一貫校と私立中を、両方受けることはできますか?

日程の上で両立できる組み合わせはありますが、問われ方は大きく違います。共通する基礎学力と、私立中ごとの4教科対策、都立中の資料読解・記述対策を分けて計画し、勉強時間の割り振りに無理がないかを見てください。

開成・麻布・桜蔭のどれを受けても、同じ勉強で足りますか?

4教科の土台は同じでも、どこに重点を置いた出題か、記述の量、時間の使い方、提出書類や面接の扱いは学校によって違います。最新の募集要項と過去問題を並べ、どの学校にも効く対策と、その学校だけの対策を分けて進めましょう。

中1・中2の評定が低いと、都立高校はもう間に合いませんか?

過ぎた学年の評定は取り消せないものの、都立高校の合否はそこだけでは決まりません。志望校の選抜方法を読み、これから上げられる評定、学力検査の点、ESAT-J、日々の学習の仕方を分けて考えます。私立高校との併願は、正式な募集要項と中学校の進路指導をもとに決めてください。

塾の講座を受けていても、家庭教師や個別相談を足す意味はありますか?

塾で受ける授業が合っていても、過去問の復習をどこから手をつけるか、どの単元で止まっているかがぼやけていることがあります。講座を増やす前に、学ぶ順番とつまずきをお子さんに合わせて整理すると、進めやすくなる場合があります。

まとめ:今日から整える3つのこと

迷ったら、この3つから始めてください。

  1. 受ける学校の種類を決める
  2. 要項で配点の中身を読む
  3. スピーキングテストを予定に入れる
中学受験・高校受験のプロ マサ先生

この記事を書いた人

中学受験・高校受験のプロ マサ先生

指導歴25年以上。これまで1,200人以上の子どもたちの学習を見てきたオンライン家庭教師です。

中学受験の算数・理科・国語を中心に、問題を増やす前に「どこでつまずき、何から直すか」を整理し、お子さんとご家庭に合う学び方を一緒に設計しています。

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